2010年9月26日日曜日

エージングビーフって…スゴ

今日は新しくなった銀座三越へ行ってみました。

久々の商業施設の大規模なリニューアルです。数年前まで丸の内開発やら(大手町・丸の内・有楽町のいわゆる大丸有)日本橋やらの新築・改装ラッシュがあいついでまして、できるたびにチェックしに行ってた。何をチェックするって全部ですよw 建築からインテリア、入っている店、飲食店(これも内外装、メニュー、衣装、etc)、新たなサービスやスペース、エレベータやトイレなどの設備、すべてのフロアのすべての店をくまなく回る、そこに来る人も見る(はじめは物見遊山的な人が多いが、どんな人がこれからくるだろうかと想像して楽しむプロファイリング)、こんなことを一日やるw

で銀座三越。行く前はとても心配だったし(おまえに心配されたくないなどと言わないようにw)、伊勢丹とうまくやってるのかわからないし、建築外観も中央通り沿いはほとんど変わらない。電話で広報に問い合わせてもファサードの改装については今のところお答えできませんとの返事(いや普段からこんなことしてるのではなく、別の仕事で聞いただけw)。こんなんで大丈夫かなと思っていたが、そんな個人のどうでもいい杞憂wは全て払拭されました。

ハナシがかなり脱線というか全く軌道に乗っていないのでザックリ言うと、とにかくとても楽しげな印象の内容に仕上がっていた。各フロアに街をつくっているような感じ。あまりブランドを立てず回遊しているうちにいろんなものに出会うようなフロア構成。伊勢丹Men's館で成功した手法のもっと分け方が曖昧、よい意味での元祖デパート。内装のどこで見え方の違いを出すというは各ブランド側の主張で客にとってはどうでもいい?いやよくないわけではないが、特に中堅ブランドについては、それほどブランドを気にしていないというのが正直なところ。気に入ったものが手に入ればよい。ただし高級ブランドについては一部インショップ的なつくりをしている。あと女性のフロアは例外、ブランドを立てる傾向は強い。臨機応変です。
また新館との連結にも苦労が忍ばれる。連絡通路ではなくしっかりとフロアごとつながっている。建築基準法、道路法、消防法のからみを超えたこの手法は拍手もの、都市再生特別措置法による緩和のようです(国土交通省資料より)。このフロア連結は内部で段差を生じているのだが、この約1mほどの段差を活かし、賑わいのある楽しげな空間づくりに成功している。

銀座界隈デパートの熾烈な競争をくぐり抜けるために何とかして他社とは違うことをやりたいというのはあると思う。その結果出てきたのが、クラフトものや一点もの、オーダーもの。全館共通でやはりそういうのはちりばめられている。
飲食フロアも例外ではない。ここにはなんと全農がはいっているですよJAですよ。


そこまできたかー。「みのりカフェ」、「みのる食堂」、どちらも旬で健康的なイメージ漂うビジュアルと外に続くテラスは芝生が広がり銀座とは思えない空の広さの開放感。お年寄りから子供まで家族で居られる唯一の場所がこの9階のフロア。すごい戦略がこの上に飲食フロアに挟まれて(この構成がかなり思い切っている)、直上階にベビー用品フロアが。これは子持ちは全員ノックアウトでしょうw 休憩してたら、アレ?なんかあるかも?ちょっと行ってみようよという罠w

ここから本題(やっとか)地下フロアB1はお総菜とお菓子、B2は食材を扱っていて、ここでも差別化はみられる。特に個人的に目を引いたのが「片葉三」という精肉店。肉の卸売りを亀有でやっている小島商店が初出店。ここのディスプレイがスゴイ。肉のかたまりがズドンと大胆に並べてある。肉の迫力のある大きさ、凄まじい色味、ドスが利いている。これはエージングビーフだ。いぜんやまけんさんのサイトでみたのはドライエージングというものだが、これもそうだろうか、一ヶ月以上湿度と温度を管理し庫内に風を送って熟成させるという。
初めてみた人はその色の黒さに少々ビックリする、というか美味しそうには見えないかもしれない。しかし古代牛と呼ばれるそのネーミングがそれをアリにさせている。古代という言葉が古さというより歴史の重みが、それを堂々と説得力を持って見せる役割を補っている。

古代牛ロース(iPhone4 撮影)

などと、うんうん頷いていたが、しかし高い。ロース100g当たり2700円。松阪牛のA5モモ肉が1500円程度のものがあるようだが、それにしても…。
しかしこれはいつか食べよう!とガラスケースの前で息巻いていたところ、お店の方が試食をさせてくれるという。…!!!なんとっ。しばし待つこと5分。古代牛のモモ肉をカットしてレアに焼いて出てきました。んんんんまい!塩だけで味付けされたとは思えない味わい、芳醇な香り、これはスゴイ。やはりいつか食べようと心に誓った(おおげさだがホント旨いですw)。家でリッチに食べるというのもあるだろうね。厚切りのわらじのようなステーキをぜひロースでやってみよう。

しかし全農にしてもこの小島商店にしても、ビジュアル(見せ方)づくりと人の教育が届いている。こういうのは慣れていないとすぐできるものではないです。これが三越なのか伊勢丹の店作りなのか、各店舗に任されているのかはわからないが、店員が商品のことをよく知っている(もちろん味も知っている)し理解している。おそらくアドバイス(というか要求?)もデパ側からあっただろうことを思う。
まだ始まったばかりで完璧ではないのだろう、今後も銀座三越に期待したくなる感じだ。まだ全部は見られてないので今度は落ち着いたころにもっとゆっくりみてみようwうを、一時間も書いてしまったw